カメラキッズ 店長日記
世界中には 無限ともいえる数の 銀塩感材の撮影機材の中で、自分の趣味で集めたり、コレクター氏との会話の中で感化されたり再発見の引き鉄になって、慌てて売ることも無いなぁ・・・と思っているうちに 市場の激変で 売り時というか 潮期 をのがしてしまっているものが 意外や たくさん あったりします。
さて今回は、写真を学問としていた頃に 出会った 単1電池6本を電源としたストロボで、それは 従来のスタジオ据え付けのAC電源専用業務用ストロボを、コンパクト化し ゼネレーターと呼ばれるコンデンサーを含む電源部と「
ガイドナンバー80-140
」前後の放電管のみの丸型発光部とした独特のまとめ方で、電源が内蔵され移動も簡単だったのです。
屋外で大光量必須の営業写真や観光地の記念写真屋さんにとっては、絶対のストロボで 独壇場だったと思われます。
あの頃は 構造的にソリッドステートではなく 電圧昇圧回路は トランジスターとキャパシターなどを組み合わせ基盤にハンダ付けなので、ある意味 長期のメンテも可能、結構タフなつくりなのです。正直、知名度も高くないし特別 「カッコいい」 とも思いませんが・・・
閃光時間が1/300秒と長く 光の回りが滑らかなのが気に入って、「デジタルの今、そんなに大光量はいらないでしょう・・」のお言葉はごもっともですが、撮り流す スナップ写真とは 違って 「きっ・・」と構えた絵作りには欠かせません・・と 信じ切って メンテしながら いまでも使い続けているのです
今に無い 半世紀前ならではのエレガントなデザインや、当時の熟練職人の組み上げた重厚さは いまとなっては 得難く 形があるだけで、その周辺機器の あの頃だけの 存在感には絶大なものがあると思われませんか。