多分 世界唯一の機構、セコニックによるスイバル機構搭載・・・ 11.5-25mmのズーム搭載ダブル8規格8ミリカメラ。
日本製 セコニック デュアルマチック ズーム 11.5-25mm
久しぶりの入手・・・「デュアルマチック」なんて映写機と間違いそうな名前ですが、ゼンマイ式ダブル8専用の8ミリカメラに 『デュアル』 と名付けたのかというと、8ミリ市場普及のハードルになっていたフィルムの往復装填の煩雑さをフィルム室自体を180°回転させる事で解決してしまったのです。 セコニックはこのSwivel:スイヴェル(何故か俗にスイバルと呼ばれる)式が気に入っていたのでしょう・・右写真の固定焦点機のあと ズームレンズ搭載した姉妹機が展開されたらしいのですが、自分はどちらの機械もお使いの方を見た事がありません。
まだまだ、8ミリというものが珍しい時代の機械で、スペック的には固定焦点、一定コマ速度としたビギナーモデルらしく、露出はセコニックお得意のcds式のEEですから、被写体に向けあとは『押すだけ・・』、 片道写し終わると、クルッと回転する事で往復続けて撮影可能・・・で、dual:往復 『デュアル』 と名乗ったのでしょう。
同じような機構の機械があってもいいような気もするのですが、セコニック以外では自分の知る範囲で恐縮ですが思い浮かびません、
非規格マガジン式をはじめ、米国のユニバーサル社からダブル8フィルム半裁のストレート8(フジ シングル8ではありません)とした手のひらに収まる機械など、次世代ポストを競い合った時代・・・ 発売時期のタイミングが悪く、コダック社により「スーパー8」という新規格フィルムの登場で世界中の8ミリカメラが統一される流れには逆らえず、折角のアイデアも短命に終わるのです。 各社が次世代ダブル8を摸索していた頃に、コダックは自社規格のスーパー8 を押し付け、巨大フィルム会社のエゴを形にしたような・・・今はそんな気がする。
ともかく、メモ代わりの押すだけで、1分半ごとのフィルム入れ替えを気にせず被写体に集中出来、サブ8ミリとしては便利で完成度も高かったのだと自分は思います。 今となってはフィルムの入手、現像など楽ではなく、映写となると これまた大変ですが、 違った切り口から独特の存在感があるのをご理解いただける方には・・・オススメです。 念のため各部整備を済ませました、ゼンマイ巻上げにて動作をお楽しみいただけます。
■外観、エッジ部に小アタリ、ペイント落ち・使いなずみあります。
■シャッターは1コマと18コマと思われる定速の2種類、、ゼンマイにて動作します。
■メーター受光素子劣化でEE感応しませんが、マニュアル動作します。